文京うまれ

自由と知性

陽性所見を無視するとこうなる

病気が進行した状態、

 

になるには、患者が

 

とある陽性所見

 

を無視することからはじまる。

 

 

 

 

時々喘息になる患者が、「また咳で」っていうから怒って、

ちゃんと血圧と体温を見なさい、いつもより血圧と体温が上がってるから今日のは感染症なんだ。あんたみたいなのがインフルエンザとか結核の感染源になったりする。恥ずかしい事だけれど、たまに教育者や医療従事者が結核のエンハンサーになっているが、これはおそらくあなたと同様、「いつもの咳」と軽く見ていたんだと思う。ちゃんと感染症が疑われるときには誰にも感染させないようにしなくちゃ。マスクをするとか極力どこにもさわらないとか。

 

 

 

貧血を背景にした胃がんや大腸がんも良くある。本人は貧血はあるもんだ、と思ってるからいつもより進んでるのを無視している。

 

 

 

病気のS/N比と言うべきか。背景のノイズが多ければ患者は鈍感になり、背景のノイズが少ない人は病院に来すぎて迷惑であり、しかし自分はどちらかというと鈍感な人々をすれ違いざまに気づいてどうにかしたい。そういう意味では検診とか風邪の診療は宝の山であって、「風邪はくんな」といつも言ってはいるものの、風邪からの癌発見率はかなり高いです。