文京うまれ

自由と知性

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

狗賓(ぐひん)童子の島

全部を読んでいる作家、というのは多くはないんだけど、 寡作で知られる人ならば、、、 と思って読み始めた飯嶋和一さん。 おそらく現代の作家では一番寡作で、しかもすべてに「はずれなし」と言われる人はなかなかお目にかかれないと思う。 すぐに文庫化し…

三流を突き詰めると失礼な人になる

2年前に一回だけ診た患者がいて、 ひどいヘビースモーカーで発癌が心配な印象があったが、 その時は別の珍しい病気かな?俺の専門外だな、と思って循環器に回したところ、 紆余曲折あって結局俺の診断が正しくて手術して治ったらしい。 それは奥さんから聞い…

リベラル・アーツと試験

教養なるものがあれば、まともな大学ならば俺を合格させるだろうと、受験勉強はしないでひたすら教養を身に着けようと勉強していた自分はあほみたいなんだけど、今はその知識に助けられているからやはり問題ない。 しかしながら自分を合格させた大学はすごい…

巨大な権限

学生が来たので、医者がどうしてコンプライアンス違反をしてはいけないかを話した。 「今患者に、自分はこの先の可能性をいくつか話したよね?」 「話しました」 「確定診断がついていないのに、だ」 「はい」 「でもそれを医者以外の医療従事者が出来るか?…

二手先を読む

カンファランスで、 主診断の裏にもう一つ病気が隠れている、 というような状況を見つけるのは得意だ。 したがってICUで患者を診るときには起きる合併症を先回りして予防できるというようなメリットがある。 というようなことを「すごい」と言われたりするけ…

こまったもんだ

トンデモ医療やってる医者に引っかかってる患者に好かれるんだわ…… 「先生ならわかってくれて、最新の医療と、代替医療を統合してくれるんじゃないか」 「私、お金をそっちに使っちゃっててお金がないので、先生なら腕がいいから安いお金で保険使ってなんと…

心配のコスト

不定愁訴の塊みたいな患者に、 「あなたの心配を金額にしてごらんよ。あなたの命は年3000万円ね」 と言うと、すごく困惑した顔をして、 「私はそんなに高くありません」 と答える。 「いやいや、だってこうやって外来に来てここにいるのだって私の命をある程…

紹介状を持たずに特定機能病院に行くなと患者に言った。

特定機能病院から無理めな紹介状を持たされて追い出されてくる患者と、 紹介状を持たずに無理やり特定機能病院に突撃していく患者の数は、 ほぼ拮抗している、というかそれをやらないと紹介率・逆紹介率が達成できず年間数億の収入を失うわけだから特定機能…