文京うまれ

自由と知性

2013-01-01から1年間の記事一覧

「発見」の甘い蜜

患者さんってインフルエンザのワクチンを打った一週間後に下痢があれば「因果関係を世界で一番最初に証明したのは自分」みたいに胸を張って「ワクチンって下痢するんですね」っていう人がいるんです。 なるほど何かを証明するという経験をしないまま人生を送…

シカゴのER

ERというドラマはシカゴのERが舞台です。 シカゴは市内だけで5つぐらいの医学部がありまして、 ひとつの病院にいくつもの大学が間借りしています。 ロヨラ大学なんてのもあります。イエズス会ですね。 医者、すごく多いです。 ERは医者としては非エリ…

選ぶのが下手な人々

患者さんが素晴らしいと、名医を引き当てる確率が高いと思う。 ところが僕の患者さんたちは、行く先行く先でやぶ医者を引き当てる人が多い。 (勝手に行っちゃう) ほんとあんたが悪いよ、と説教。 しかし・・・これはつまり僕がやぶ医者であることと同義語…

前医へのリスペクト

誰が検査しても見つかる癌を見つけて治療のために紹介する。 紹介先の先生が、「これを見つけてくれた先生はすごいね」と患者さんに説明をする。 次回患者さんがクリニックに受診して、「先生ありがとうございました」と言う。 「いえいえ、人と同じことをし…

数やんなきゃだめ

Tハートセンター(ばればれですな)のスタッフの一人が講演をしていて、 「やっぱり、数を診ないとだめです」という事を言っていた。 自分も県内で一番多い数の内視鏡をしている一人だけれど、 雇われ人という事と、スタッフに恵まれていないという環境にあ…

ひとりひとねた

大学では内視鏡室で検査をしてるわけ。 で、患者さんとは一生で一度きりしかたいていは会わないわけだ。 そこでひとりにひとつずつ、その人の印象に残る会話をするってのがノルマ。 どうせ鎮静剤で忘れてくれるから良い。 覚えていると「次もあの先生」って…

インターネット

僕は自分の医院のホームページには、 「病院にはこないでほしい」 「こっちは毎日真剣勝負でやってるので、ほんとうに困っている人だけ来てください」 と書いています。 で、その結果として、 確かに神経質な人は多いが、節度はみなあって、 僕が「これは器…

スタバ

スタバのドリップのアイスコーヒーは、 ブレンドじゃないのを頼むほうが あたりの確率は高い。 で、アイスコーヒーにもアドショット出来るらしく、 (濃いのが飲みたいと言ったら、アイスコーヒーにアドショットってのを店員さんから勧められた) この50円…

チーム制

半澤直樹関連のブックマークを読んでいたら、 銀行は行員の不正防止のために長期休暇を必須としている、 みたいなことが書いてあって昔を思い出しました。 私が最初にいた医局は、傍から見るとだらしがないというか、 やる気が無いというか、みんな休みがち…

大丈夫です

ある内視鏡の名手の講演で、 「いや、胃に穴を開けちゃった時も、後ろでF先生が『大丈夫ですよ』って言ってくれるんですよ。その声にどんなに救われたか」 という発言があったそうなんだ。 僕らの仕事というのは合併症はつきものです。 でね、僕は後ろに立っ…

実習って、なんだ?

私は座学は不得意でしたが、 臨床実習が大好きでした。 大抵の科は2週間あるのですが、 毎日復習しまくりで翌日にはいつも前日に習ったことはすべて完璧にして行きました。その知識は医者になってからも生きていて、患者さんの質問に大抵答えられるのは実習…

腸は1週間使わないとだめになる

小腸のターンオーバーは約1週間なので、 1週間絶食が続くと機能低下がかなりあり、 普通の食事では下痢をしたりしてよろしくない。 でもそうなっちゃったらしょうがないから、 その後はリハビリのように、 消化剤を与えつつ(これが大切) 食あげをしていく…

「様子を見る」を二度しない

「様子を見ましょう」というのは、決定打がなくて次へ進むことが出来ないか、 前へ進むにはコストが高くて見返りが期待できるか微妙であるか、 検査をするとなると患者さんへの侵襲が大きいか、 医師がなかなか決めかねている時に出る言葉です。 もちろん、…

質的診断と存在診断

MRIは条件次第で局所の一定領域の性質を丹念に調べることができるので単一の性質をもった細胞が5mm立法あって存在がわかっていればその質を正確に診断が可能なのだと放医研の友達が言っていたのは10年以上前で、ただしそういう「条件」は職人芸なのだ。MRIは…

心窩部を極めよ

学生さんにエコーを教えるに当たって、 心窩部を極めればエコーは怖くない という話をしたんですよね。 フリーエアーと、上腸間膜動脈塞栓 が、エコーで見つかって、かつ、命に一番かかわる病気なんだけど、 これも心窩部のスキャンでわかるわけです。 心窩…

生命保険

よく患者さんが生命保険の切替えとか言ってるんだけど、切替えが必要って時点ですでにリスクヘッジに失敗してるのではないか? 生命保険というのは一家の稼ぎ手が死んじゃうと家族が困るから、子供が独り立ちする時の年齢を満期に設定するのが当然でしょう?…

父親を、考える

患者さんの息子や娘は僕より少し下の世代で、普通に仲良くなることが良くある。 たまに来て、ちょこちょこっと診るだけなんだけれども、 僕にとっては清涼剤みたいな外来でホッとします。 で、「お父さんさあ、家でどうなのよ」という話になる。 「言わない…

ジェネレーション ギャップ

カルテの同時性、真正性が20年前に問題になった時 同時性、真正性を保証する方法 <データ>があるとすると、 <データ>のハッシュ値を、信頼性確保してくれる機関(VeriSignが有名)に送りますと、 <ハッシュ値+その時間>を暗号化して、<タイムスタン…

相手を天才だと思おう。

仕事のパートナーとか 人生のパートナーを 天才だ と思おう。 僕は自分の父親の事を天才外科医だと認識しています。 実際東大医学部で「おまえどうして教授にならんの?」と言われてたぐらいなんですから天才の部類なんでしょう。 外科になりたての頃から、…

「めんどくさい」との戦い

検診でひっかかった人々を診るのは、僕は向いてないです。 患者さんの「めんどくせーなー」っていう心の声が聞こえちゃうからだろうと思います。 僕は脅しを使わないから、そのめんどくさいを黙らせられないし、普段比較的重症な人を診ることが多いので、そ…

自分で出来る人々

「自分で何でも出来る人々」というグループがある。 医者には特に多い。(優秀なんだと思う) ある製品(製剤、医療器具、医療機器、プログラム)があったとして、 「自分で出来る人々」は、工夫して(改造もする)使いこなしちゃうんだな。 で、自分で出来…