文京うまれ

自由と知性

2万円の壁

「生命保険に入るにあたり、すべて申告したほうが良いと思いましたので先生からご紹介いただき大腸内視鏡検査を受けた先生のところに行って保険に入りたい件をお話したところポリープは取っていないのだから関係がないと怒られてしまいまして不満です。私はもう二度とあそこには行きませんので先生が診てください」という患者がいたので、

「良いことを教えましょう。医者に通っていて、お会計が2万円以下だった場合、それは大きな問題ではありません。ですからそれは生命保険会社に申告する必要はありません。この判定方法すごく便利だと思いませんか?わかりやすくて。あ、これは3割負担のときの話です。うちはお会計安いですよね?すなわちどうでも良い医療しかしておりませんから来る必要もない、という事」

「先生は色々説明して下さるから良いけれど、私は不満です」

「あのね、普通の先生方は僕みたいに暇じゃないんですから余計な手間をとらせないで下さい。とても良い先生なんですから感謝しなさい。本来こういう事はあなたを勧誘した保険の人がアドバイスすべきと思います」

「そうなんでしょうか」

「あと僕は患者をあまり診ないからこそ暇なので、あなたを診ると忙しくなるから、遠慮させていただけないでしょうか。少なくともあと3年は来る必要がないと思います」

患者に来るな来るな言い始めた頃、来るなと説得するには説明を丁寧にする必要があるので却ってリピーターが増えて困っていたけれど、10年ぐらいそれを続けていたところ、やっと減りました。今は割合余裕があります。