文京うまれ

自由と知性

歯のケア

http://banban.hatenablog.com/entry/2014/07/22/123831

を読んだんだけれど、不幸な人にみえるのでメモ。

 

基本的には「私は悪くない」→「抜歯と言われたけれどサルベージできたよ!」というストーリーで良いのかもしれないが、あちこち回ってみて先生方の多数決みたいな感じで何となく自分の方針も決まっていった」ってところか。

 

しかし、「私は悪くない」→「サルベージできた」「原因は歯ぎしりなどいろいろ」→「実はこうすれば予防できたかも、と歯医者さんに教えてもらった」→良かった!

みたいな気づきがあると今後の10年20年に役立つかもしれない。マウスピースの装着だとか、PMTCだとか。

 

そして他の人々に役立つようにするには、なるべく自分の背景を書いて、一般論としてではなく、各論の一つとして書くべきだ。闘病記、などで良質なものが時々あるのだけれど、その人の背景がしっかり書いてあるものがとても人々の共感を得る。

 

 

 

■奥歯、などと漠然と書かないほうが良い。右?左?上?下?何番の歯?親知らずは何本残っている?矯正はしてある?という背景が重要。アルコール、タバコなど嗜好品は書くべき。口の中やレントゲンを見てしまえばそんな背景(以上のことも)はすぐわかるが。

 

■背景にプラスして大まかな年齢、性別によっても対応が異なる。年のせい、と説明があったので50すぎ女性?なわけないですよね。確かにその歯科は疑ってみて良い。鉄欠乏でもあるなら別だけれど。

 

■半年に一度以上の受診、と漠然と書いてあるのが逆に心配。ちゃんとした歯科に通っているならPMTCと書くだろうから。しかも3ヶ月に1度だ。歯科は予防医学が大切なわけで、今回はすでに悪化させちゃった歯のサルベージだからあんまり読者のニーズはないかもしれない。しかし、そのサルベージしてくれた歯科の先生の予防ケアを学ぶべき。

 

■ちなみに奥歯の歯槽膿漏が原因だとして、「正しい歯磨き」にこだわってるあなたの思考は多分間違っている。きちんとした歯科で予防ケアを学ぶときには、ブラッシングよりは歯間のケアであったり、奥歯のさらに奥の歯槽のケアについて学ぶ。

 

■ちなみに半年で歯槽骨が溶けるなど、感染が起きればすぐだ。ただ、骨膜が残っていれば再生は期待できるので、局所のデブリドマン、感染のコントロールでなんとかなるのだろうし、今回はそうしてサルベージしてくださったのだろうと想像する。、一時的な歯の固定などで我慢する方法もあるだろうが、アドヒアランスの悪い患者だと耐性菌の出現などの合併症も確率が上がるし、保険診療ではどうなのかとも思うし微妙なところだろう。

 

■歯の症状についての放置具合が漠然としすぎている。歯周病感染症である。4日程度で改善してこなければあとは悪化するばかりだ。今回の経過としては一週間以上経っている印象だが、何日ぐらい放置していたのかを具体的に書いておいたほうが良いだろう。そして、「今までもそんなことがよくあった」が実は問題で、そのたびに歯槽骨が減っていた、と考えるべきだろう。あと歯ぎしりなどはないか?あるならば歯科の先生が教えてくださるはずだ。歯ぎしりは想像通りあったようだ。

 

■心臓疾患や糖尿病がある場合には抜歯のほうが正解の場合がある。やたらサルベージにこだわると良くない場合があるが若いのでそのままGo!なのだろう。

 

とはいえ、良い歯科の先生と出会えたようで良かったです。やたらフロモックスばかり使うとか、清潔操作に難がある歯科もある。保険診療、保険外診療を上手に組み合わせてくれる良心的な歯科医に出会うためのコツなども書いておくとなお良いのではなかろうかと思う。諦めずに頑張っている態度は評価したいけれど、そのたびに初診料の7割が保険から支払われていることは自覚したほうが良いと思われる。