文京うまれ

自由と知性

神経質には大別して2通りある

それは、いうことを聞く神経質と、

いうことを聞かない神経質だ。

 

前者は神経質に一本筋が通っている人だ。生きる目的ってのははっきりしてるかどうかは知らないが、「苦しむのは嫌だ」という価値観があって、それに対して適切なアドバイスを待っている状態。そういう人には本当の事さえ言ってやれば正しい判断を下してくれることが多いので、迷惑じゃない。

 

後者は3歳児と同じ。5分後とか10分後が良けりゃ良いっていうタイプ。これは前回書いた人々で、リスクが取れない、と考えれば良い。放射脳、アンチワクチンがこれに当たる。実は外来では放射脳のスクリーニングができている、という事になる。放置するとかなり社会問題化していくので、成長を促す必要がある。

 

その成長を促す事をやっているのが自分の外来と言える。まずは圧倒的な評価を得る、というところがスタートなのでハードルは高いけど。こういう時こそ代々医者、みたいなのが重要で、3代続いて名医です、みたいなのがあるのは非常に助かる。金持ちじゃなくて良かった。(これも大切なんだよ)2つ目は評判だけじゃなくて、実際の人物が誠実なこと。ほんとに腕が良くて、お金が安くて、頑固にしてるのもリアル感を出すためにわざとやってる。これで優しかったら裏がありそうじゃね?(でも死線をさまよった人だけはホントは優しいとわかってる)3つ目に、実は俺が他の先生方をすごく尊敬してるって話をする。よく患者からはあの先生がこうだった、この先生はこうだった、という話をするけれど、その真意は本当はこうなんだよ、あなたは最終的には得をしたんだよ、という話をしてやる。

 

そうすると、5分10分後ではなくて、もう少し先を見通せるようになる患者がいる。その状態になるとあまりどこでも迷惑はかけないので、卒業状態になる。そうじゃない人は2つ目の段階で止まり、「先生にだけ、ついていきます」状態のままで一生を終える事になる。教育が遅くなるとそうだ。なるべく修正は早く入れたほうが良い。

 

自分の周囲の「ザ・名医」は芸能人・政治家の主治医になった辺りでその人生を終える。まあそれでも良いんだけどさあ、その先、ってのがあるんじゃねーか、と思って、医者やってます。