文京うまれ

自由と知性

出す薬がなかった

ちょっと自分では判断が出来ない人が「のどが痛い」と受診した。

 

さてこの人の病歴を見ると毎回毎回風邪を悪化させているわけだ。

 

そしてその原因はコデインと抗ヒスタミン薬を出す医者がいるからじゃないか?という結論に達した。

 

さて、熱は36.3度。咳はほんとに軽い空咳。心不全兆候なし。脱水なし。のどは全然はれてない。リンパ節もはれてない。ぶっちゃけただの風邪である。

 

そこではたと困ってしまった。この人は風邪→悪化→2度ぐらい通って最後は抗生物質か喘息の薬→治癒という転機を毎度繰り返すんだが、たぶんそれは医者のせいであって、医者に来ないほうが早く治るんじゃねーの。

 

そこでカルボシステインだけを一週間処方して、途中ではよほど悪くなかったら来なくて良い。茶色の痰か、高熱の持続、あるいは息苦しくて歩くのがしんどいときのみ来院せよ、と指導してみた。

 

これでそのまま治れば良いんだけれど。

 

自分はこのブログでは、普段は話題にしにくい、ややインテリジェンスが低い人たちの話を良く書いている。IQが80-90ぐらいだろう彼らは愛すべきキャラクターだしまじめに薬を飲む人が多いんだけれど、いざウイルスがアウトブレイクしたらまき散らす候補の最右翼でもある。彼らとの関わり方は自分のテーマのひとつなんだと思う。