優しくなると見えてくるものがある
一人暮らし老人のひねくれ方というのはなかなかのものだ。
彼らにとっては自分以外はすべて敵なのかもしれない。
さてそういう人々に徹底的に優しくしてみるとどうなるだろうか。優しく、というのは物質的に優しく、という意味ではない。どう説明したら良いかわからないので実例を書く。
「先生昨日NHKで言ってました」
「どういう話題だったのですか?」
「布団、毛布ですか、あれを直に肌にあてると良くないと」
「ふむ、そういう意見があるのでしょうか、痒くなるということでしょうか」
「でも私は痒くなったりしませんよ」
「ああ、化繊の毛布を使っている方が多いからかな?」
「私は高い毛布です」
「化繊の毛布は水分の吸収が悪いかもしれません」
「言いたくはないけど、私のは高いです」
「高い毛布が買える方を対象者とはしていないかもしれません。NHKなんで」
「良い毛布は痒くなったりしませんよ」
「良かったですね、良い毛布を使ってらっしゃって」
「良かったです」
実際あまり話はないのでしょうね。だからタクシー運転手の天気の話と同様にNHKの話題が出るのでしょう。彼らだって、はてなのユーザーと同じで承認欲求があるのでしょう。だから「一般の人とあなたとは違うよ」と少し指摘するだけの簡単なお仕事です。