文京うまれ

自由と知性

サインドアウト

患者が自らの意思で帰っちゃった、という表現ってアメリカでは「サインドアウト」って言ってたなーって思いだしていた。
どういう用法だったっけな、と思って検索してるとこういうニュースがあった。豪傑め。

www.belfasttelegraph.co.uk


いろんな理由で患者は帰りたがるけれど、日本のように嫌がらせ目的で「じゃあ帰る」とブラフを使う人はほとんどいない。たしか患者が「帰りたい」と受付に言うと、はいこれどうそサインしてって書類を渡されるので、それにサインして病院からいなくなる。それで病院は免責になる仕組み。日本だとあとで何かあると「感情」を持ち出してきて訴訟になるところが違う。米国よりはるかに訴訟が少ないのに、米国よりはるかにプレッシャーがかかっているのはこういう出鱈目な訴訟ばかりだから。


日本でもその手の話は聞くけれど、さっとそういう書類が出る、というような世の中ではなくて結構職員さんがオロオロしてしまう。謝罪を引き出すための一種のブラフとして「じゃあ、帰るわ」という言葉が使われている。まだ日本は成熟していないように思う。

 

米国の親切な病院ではその考えを進め、"Safer sign-out"というシステム構築をしているようだ。患者の簡単な情報をカードにするか何かして、彼らがサインアウトしたものの、やはり困って再びどこかの救急病院にかかったときに病状がわかるようにするというものだ。

 

一方で日本では、ドクハラが横行し、強制的に「お前はもう診ないからな」と宣言するような連中も沢山いて腹立たしい事だ。たいていヤブ医者だからどーでもいいんだけども。