文京うまれ

自由と知性

大学で授業を手伝っていました

4週にわたって、慶応大学SFCで授業をお手伝いしていました。

このYahoo!ブログで坂井直樹さんのブログが以前あって、それにコメントをしておりましたら、ご飯をごちそうになりまして。

そんなこんなでお知り合いになって3-4年になると思います。あまりす先生とかask先生と同じぐらい長いことお付き合いしています。

坂井さんはその後SFCの教授になられました。

3年前にも一度90分のレクチャーを少数の学生さんにする機会がありました。その時知り合った学生さんとは今でもTwitterでやり取りしています。ものすごく優秀な子たちばかりで、数名は間違いなくメジャーになるでしょう。楽しい体験です。

今回は20分のレクチャーをというお話でした。大学生と接する機会はあまりないですし、自分は時間もかなり自由なので気軽にお引き受けしました。

授業内容はプロダクトデザインで、坂井直樹さんやプロの優秀な工業デザイナーがレクチャーしてくださる他、有名な企業人、クリエイター、デザイナーなどがゲストで登場するとても贅沢な授業です。私、どう見ても場違いです。

お客様気分で楽しんでいた授業なのですが、どうも私が司会をすることになっているらしいと気づいたのは当日の事でした。

とはいえ、いつも司会業は慣れています。大学2年の時から司会をやっていて、結構評判が良いのです。

面白いのが、学生さんが授業の組み立てを手伝ってくれるという事でした。90分授業x2コマで、そのうちの1コマが私に振り分けられているのですが、全く事情が飲み込めていない私に適切に情報を下さる優秀な学生がいて、(私は彼が大学院生か先生だと思っていました)おかげでつつがなく授業をすすめることが出来ました。

最初、私はかたい内容の授業の準備をしていましたが、私が担当する授業はワークショップと言って学生さんが実際に授業内でデザインをしたり、プレゼンをするものらしかったので、むしろ皆の共同作業をどう進めるかをあらかじめ見ておいた彼らのレポートからプロファイリングを用いてサポートしたり(意図してはいなかったのですが)しました。

今回も楽しい出会いがありました。山中俊治さんとも少しお話しできて嬉しかったです。

4回目の授業の時は、学生の最終プレゼン。優秀2チームが考えたプロダクトを発表して企業の方に評価していただく事になっていましたが、いつの間にか私もプロダクトを発表することになっていました。

あれ?

これって、学生に手本を見せろと言う事ですか?

かなりちゃんと準備しましたよ。一応、Keynote '09を駆使した、学会では見ないような美麗なスライドも用意。

デザインはしたことがないのですが、理念をプレゼンすることは不得意ではありません。
生命科学者らしく、進化論などを持ち出しながら、理想のプロダクトについて自分なりにプレゼンをして終了。

いったい自分は学生に教えに来たのか、あるいは自分がデザインを学びに来たのか、自分がなぜここにいるのかわからないままに4回の授業は終わりました。

そして今は普通の日常に戻っています。

クリエイティブな子達を見ていて思います。圧倒的な才能を持つ子もいますが、普通の子との一番大きな違いは「欲」なのかもしれません。スマートにさらりと生きようなんていう学者村の人間ばかり見ていた自分には新鮮でした。きれい事ばっかり言う医者には違和感があったのですが、その正体が見えたような気もします。