文京うまれ

自由と知性

門前払いではありますが

潰瘍性大腸炎が治らないので来ました、という人がいました。
かかっている先生はこの辺りでは信頼できる先生でした。
私は潰瘍性大腸炎に関しては素人レベルです。
さてどうしましょうか。

ひとつの仮説を立てて、一方的に話してみました。
1)良くなっていないことを、主治医の先生に伝えられていないのではないか。
2)あなたの考えているゴールと、主治医の考えているゴールは一致していないのではないか。
3)あなたはネットを見て、ひとつのゴールを全大腸の外科的切除と考えているのではないか。確かに潰瘍性大腸炎には、そういう究極のゴールは用意されている。要は清水の舞台から飛び降りることが出来るかどうか。あなたは高齢だからもしかしたらそういう事も考えたかも知れないし、内科の医師はそこまでは考えない。それが双方の見解の相違になっていないだろうか。
4)潰瘍性大腸炎にはしかし、この先生にかかれば治るという名医はいない。テレビに出てるようなのは全部だめだめだ。しかしながら、神奈川県に関して言えば内科ならこの先生、外科ならこの先生というようなオーソリティがいるのは確かだ。従って、意見を聞きたいならば、あなたは内科のオーソリティにかかっているのだから外科の先生に相談してみるという手はある。それは3)とつながっている。
5)そこでだ。検査をすべてやり直すことはあなたの潰瘍性大腸炎を必ず悪化させるのですべての内視鏡所見などは持って行く方が良い。すなわち、あなたの主治医には開けっぴろげにすべてを話して相談する必要がある。
6)そこで1)2)に戻るが、あなたと主治医とのコミュニケーションが取れているのかをきちんと考えるべきだ。10分の外来であなたの要点が話せるようにメモぐらいは持って行った方が良いだろう。その上であなたの気持ちを真摯に伝えれば必ず主治医の先生はそれに答えて下さるはずである。
7)従ってあなたは私の外来にかかる必要はないし、第一私は潰瘍性大腸炎については知らないのです。今日はお帰り下さい。

これで帰ってくれました。