文京うまれ

自由と知性

心窩部を極めよ

学生さんにエコーを教えるに当たって、
心窩部を極めればエコーは怖くない
という話をしたんですよね。

フリーエアーと、上腸間膜動脈塞栓
が、エコーで見つかって、かつ、命に一番かかわる病気なんだけど、
これも心窩部のスキャンでわかるわけです。

心窩部のスキャンはたかが1分ていどで終わるんですけれどね。
最初にソノゼリーを塗って、それを伸ばして、
そういう事をしている時に大動脈の軸をまずは探し、
そこから肝臓を見、呼吸での変動を見、
当然フリーエアーのチェックやら、
上腸間膜動脈のチェックやら、
ついでにリンパ節、
食道癌もわかるし、
心機能も大体わかっちゃうし、
もちろん胃癌は見えるし、膵臓癌もわかるし、
そこから胆嚢も見えちゃうし、肝臓も肋間操作前に大抵全貌は見えてるし、
モリソンに出血してればわかるし、
まあ大体全部わかるわけでして。

そりゃ子宮外妊娠なんかもありますけれどね。
あれはわかりやすいんで。
虫垂炎はちょっと難しいですけどね。
でも1時間で死んじゃうって事は無いでしょ。

だから心窩部を制すれば、
エコーの初心者は脱することは出来るよ、
という話を学生さんにしたんだけど、

意外といい話だったんで、ここに書いたわけ。

実習中に、心窩部の観察から肺癌、みたいな症例もあったので、
エコーの一側面を見せることが出来て良かったです。