文京うまれ

自由と知性

「様子を見る」を二度しない

「様子を見ましょう」というのは、決定打がなくて次へ進むことが出来ないか、
前へ進むにはコストが高くて見返りが期待できるか微妙であるか、
検査をするとなると患者さんへの侵襲が大きいか、
医師がなかなか決めかねている時に出る言葉です。

もちろん、「これは詐病だ」とか、
「器質的な疾患はない」と確信を持っている時にも使います。

が、経験上、自分が判断を迷っている場合に、
時期を数日ずらして、同じ「様子を見る」をした時には、
大きなしっぺ返しが来ることが多いのです。
もともとかなりクリティカルでも外来で診てしまうタイプだからです。

狭心症は良い例で、
どうもST変化が捉えられないが…
しかし二回迷うぐらいならCAGやったほうが良いです。

あるいは感染症もそうです。二度迷う事があったら、二度目の迷いは絶対に様子を見ないほうが良い。

あんまり簡単に次の医者へと紹介状も書かずにダンプする(おっぽりなげる)医者もバランスが悪いし、
かと言って、症状が悪いのにずっと抱え込んでいる医者もバランスが悪い。

このバランス感覚にはいつもひどく頭を悩ませています。