文京うまれ

自由と知性

チーム制

半澤直樹関連のブックマークを読んでいたら、
銀行は行員の不正防止のために長期休暇を必須としている、
みたいなことが書いてあって昔を思い出しました。

私が最初にいた医局は、傍から見るとだらしがないというか、
やる気が無いというか、みんな休みがちというか、
割合自由に休みがとれたのです。
で、そのためにというか、主治医制度になっていなくて、
チーム制になっていました。
それでは患者さんが文句を言うか?
いえいえそんなことはなく、主治医が決まっていないかわりに教授と助教授ががんばっていて、
教授回診を毎日やっていたわけです。
患者さん60名ぐらいですから、朝7時からはじめると8時半の始業までには終わります。
チーム制になっていると、(さらに教授か助教授とチーフレジデント(私)が毎日チェックするので)
カルテはしっかりその場で書かなくちゃいけない。
ミスはちゃんと報告しなくちゃいけない。
いや、他人がしょっちゅう見るので、ミスは事前に防がれてしまった。
不正のしようもありません。
それが20年以上前で、今では日本で最も人気のある医局らしく、医療崩壊どこ吹く風のようであります。



今いる医局は割りと旧式で、主治医が患者を他の医師にはみせません。
そして「休みがない、休みがない」と嘆いているのです。
何か時代が逆行しているように思ってしまいます。



長期休暇をとりたい、という医師の欲求が
結果として良い医療の原動力のなったかもしれない、
というお話でした。