文京うまれ

自由と知性

同じことを二度話す

癌の告知も、
同じことを二度話すぐらいで、
やっと実感がわくものなので、

最初に話して表情にあまり変化がなかったら
もう一度話して、

まだ変化がなかったら
またもう一度話すと、

ようやく
「癌、なんですか?」
とわかってガクっとなった表情になるので、

今度はそこから気分を盛り上げるために
二度ぐらい別の未来の話をする。

それで、「今の話は仮定の話であって、
本当に癌であったらまたもう一度」
と約束して帰す。

年齢が上がるほど「癌」という病名に驚くようで、
実際取り扱いが難しいわけだけれど、
家族がついてこない場合も多くて、
「おいおいおいおい」と思ったりするのは内緒ね。
自分の時の良い予行演習になるのだから、
年寄りの検査結果は聞きに行くのがよろしいですよ。
また、それは医者の実力が良く分かる瞬間でもある。