文京うまれ

自由と知性

忘れっぽいのだ

一度聞いた授業は全部覚えられるのに、
夕方以後聞いた話は全部忘れる。

自分にいろんな秘密の話を教えてくれるんなら、
たぶん夕方以後が良い。
ほぼ良い感じで忘れるから。

そう、この前米原万里さんの本を読んだんですが、
彼女はお父様が共産党の方だから、
やはりその影響を受けているような一文があった。

人間の才能と言うのは天から与えられたものとして、
社会主義の中では周囲全員で喜ぶのが普通だが、
この民主主義の国日本では妬みばかりで本当につまらない、
という事を仰っておられた。でもほんとうだろうか。

従弟がロシアのチャイコフスキー記念国立音楽院に居るのだけれど、
同じような事を言っていた。
日本と違い、ロシアでは惜しみない賞賛をもらう事が少なくはない、と。
これは現在の事なのだから、社会主義の話とはちょっと違うのではないか。
日本は画一性を求める国だけれどそれは教育の不備なのではないかな。

とはいえ米原万里さんの文章は面白く、
下ネタとか罵倒の言葉も心地よく、
生きていて欲しかったんだけど、不幸な転機をたどられたんだと聞く。
オリガ・モリソヴナの反語法はとても面白い本だった。