文京うまれ

自由と知性

ナース

大学病院勤務もしているんだけど、その時にはナースとおしゃべりするのが好きだ。
下らないこだわりなんだけど、
例えばキシロカインゼリーは2%入りで30ccのパッケージ。
これを1人5ccずつ使って、6人で1本使い切るのがかっこ良くない?って。
たぶん殆どの先生が自分の倍ぐらい使う。
キシロカインゼリーを使うのは日本ぐらいで他の国は潤滑剤は潤滑剤で、
単にルブリカントとかルーブなどと呼ぶ。
で、実はそれだけじゃないんだ。
2%なので1ccで20mgだ。15cc使うと300mgだ。
キシロカインの中毒量が300mg程度(4.5mg/kg以上は注射しないこと)とされていて、事故例を見ると、それをやや超える程度のキシロカインスプレーで中毒になった症例が報告されているらしい。注射じゃなくてです。
キシロカイン中毒は、心臓のカルシウム受容体を不応にしてしまうため、
それが戻ってくるまでは延々と心臓マッサージをしなければ死んでしまう。
極めて重大な合併症であって、大昔にキシロカインショックとされていた事故症例の
多くは実は中毒なんじゃないか、と自分は思っている。
日本はキシロカイン内視鏡で使いすぎる。
経鼻内視鏡でもじゃんじゃん使うでしょ。信じられない。
4%キシロカインスプレーはアルコールが入っているのに、
「アルコール綿禁忌」の患者さんにも関係なく使うってどうよ。
そういうデリカシーのなさというか、無知というか、日本のそういうのが自分は気に食わなくて。
みたいな話は割りとナースは面白がって聞いてくれたりする。