文京うまれ

自由と知性

カルテは忘れない

内視鏡の時に、鎮静剤を注射するので
自分で運転して来院してはいけないと言っても車で来ちゃう人とかいるんですけど、
だいたい確信犯なんですね。
むろん訳は聞くんですけど、大した理由ではない。

来ればなんとかなるだろう的な考えは、
命を救う救わないという真面目なやりとりをしている医療の場にはそぐわないので、
個人的なブラックリストに入れてます。
たいていそういう人は飲酒運転もするんです。

大した理由でもなくキャンセルを繰り返す人とかもそうです。
それが後でどう影響するかは知らないけれど、
この人はそういう人なんだ、という事をカルテは忘れないんです。
自分は忘れちゃうんですけどね。




患者さんに
「先生には何から何までお世話をかけて済みません」と言われた。
いろんな検査の予約やらなんやらを一番早くしなくちゃみたいにパズルを組み立てて電話したりFAXしていたら言われた。
どういう人かというと、大腸癌を疑ってるんだけど、いろいろ難しい病気があるが故に安全に検査をするにはどうする?って悩んでいる人。すでに最初の検査では大出血をしてしまい患者さんには苦労をかけ、自分は冷や汗をかいた。ようやく復活してきたところ。
「あなたは自分は何日はだめ何日はだめ、後になってその日はだめだったとか行けないとか言わないでしょ?我々医者が徒労だと思うのは、病気の診断とは全く関係ないことで予約を嫌がったり、その変更を患者さんが言い出す事なんです。生きるか死ぬかなのですべてに優先して欲しいんです。でも患者さんにはそういう事言えませんからニコニコして、裏では病院に謝りまくって予約変更しますよね。そういうストレスがないあなたの場合には、私はこれっぽっちも苦だとは感じないんですよ。気にしないでください」と言ったがこれは本心だ。