文京うまれ

自由と知性

自信について

医者が自信にあふれていないと満足しない患者がいる。

でも昨今は、正確な知識をまず患者に伝える事が優先されるので、
「いいから任せろよ」という先生はおられなくて、
(おられるが、それは名医とは限らない笑)
事実を淡々と伝えるのだ。
それに対して不平を言えずに僕に電話をかけてくるのだ。
半ば呆れつつも、
「あの先生は名医です(ピシャリ)」と言ってやればそれで決着はつくので、
簡単は簡単なんだけども。

まあ、それは「あなたの治療がうまくいかない時には、
その先生だけじゃなくて俺も責任持つよ」というニュアンスも含まれ、
とにかく保証、なんてったって保証、みたいな
そういう医療とは相容れない心理を持つ特定の患者にだけ、
そういう作業をせねばならないことにモヤモヤ。すぐ忘れるから良いけどさあ。

色々な経験を積むほど、頭の良い、優れた医者は一種臆病になるものだ。
そこで自信にあふれた態度を示すというのは以前にも書いた「サイコパス」か、
あるいは「覚悟を決めた本物」か、
「アホ」か、どれかだと思う。

自分は演技派だから、どれにも属さないから良いけれども、
大切な事を見ていない患者さんは結構多いと思う。
治療内容についてよくよく検討しなくちゃいけないのに、
「生命保険は入ってるのでどうでも良いです」みたいなタイプの人に、
上記のような「医者に自信を求めるタイプ」が多い印象がある。
君はテレビとかに出ている医者にかかれ。