文京うまれ

自由と知性

コネとカネ

医療の世界にはコネとカネの問題がまかり通っている。

それが嫌いだから俺は世の中救急医療だけにすりゃ良いのに、と思っている。

 

真っ正直に医者やってきて、高い評価をもらっているから、さぞ安泰だろうとみんな思うだろう。嫌な患者は診なきゃ良いじゃん、先生はそれでも患者が来るじゃない、良くそう言われる。しかし自分が診たいのは少し医療から疎外されている人たちであって医療が大好き!な患者じゃない、なのでなるべく門戸を広げておかなくちゃと思って今のスタイルになってる。

 

ところが不愉快な患者が多数紛れ込む。65歳以上、良い医療を受けたいという人たちだ。贅沢すぎる。しかもこの連中が世の中はコネとカネだと思っているから始末に追えない。カネはあります、とか言いはる。じゃあ保険証出すなよ。誰々の知り合いですと言いはる。しらねえよ。家族性の癌の人たちだけだよ、覚えてるのは。あるいは一家全員O-157で大変なことになったとかさあ。そういう人々は可哀相ってのがあって悪いけど依怙贔屓しちゃうね。腎機能とか心配だしね。しかし嫌な人でも平等に診てる。自分には他の医者とのコネクションがある。で、俺は患者を区別しない。だから俺から紹介状をもらうとそれが他の医者へのコネになると思っているんだ。なんで下らないことで来院するのかの理由。ほんとうざい。それは意味がないことだと説明するのだって相当の時間を食うのだよ。それさえなければもっと沢山の患者さんを診られるのに、患者を絞らざるを得ないから広告を出さないとか、いろいろ努力をしなくちゃならなくなった。

 

今じゃあなかなか気軽には受診できない医者の代表格になっちまって、なかなか病院嫌いの人が来てくれない。そうじゃないんだ、カネもコネもない、病院嫌いの人こそ診たいのにさあ。

 

医者と患者のマッチングというのはほんとに大切な問題だと思うよ。