文京うまれ

自由と知性

小物の悪意

癌の患者さんと話していると、

医療従事者の悪意ある言葉に傷ついていることが多い。

「ほっておけよ」というほどの小物が発した言葉ではあっても、

患者さんにとっては大きな言葉に違いない。

 

「どうしてこんなになるまで放っておいたの」

 

と検診ナースが言うことがあるようだ。信じられないけど。医者でもこれを言う馬鹿はいるが、ほんとに馬鹿なので無視して下さいお願いします。こういう事言う馬鹿は、どうせ馬鹿で、学生時代から劣等感しかない連中です。

 

「ちゃんと検診を受けないからこんなことになる」

 

これも信じられないけど検診会場で言われたりするようだ。医者じゃなく、ナースなどに。本当に検診を受けていない人には修復できないトラウマを負わせるし、きちんと受けていた人には「見逃された」という医療不信を植え付ける。ひどい言葉だ。

 

「癌はこんなにすぐには大きくならない、ずっと前からあったはずだ」

 

こんな事までいう人がいるらしい。どの部位に出来る癌でも、1%〜数%はものすごい速さで大きくなる。最低100人見てればそんな事は理解できるはずだ。よほど初心者なのか、馬鹿かのどちらかだ。これも医療不信を招く言葉。医者が言うんなら直接文句も言えるんだが。

 

だいたい、癌だと診断付けるのは細胞を取ってからだ。良性でもすごい速さで大きくなるものはある。どうして診断をつける権限のないお前が「癌だ」と決めつける?

 

話しているうちに泣いてしまう人だって少なくはない。

癌の発見から治療に向かうまでの1ヶ月は大切な1ヶ月だ。

通常、驚きから前向きな気持に変化するには2ヶ月程度かかることがあるとされていて、大抵の治療は混乱の中でのスタートになる。そこに影を落とすコメディカルの悪意は、無視できるほど少ないわけではない。俺は怒っている。それを何とかするシステムを作るのも自分のTo-doリストには入っている。