文京うまれ

自由と知性

患者のインテリジェンスと世代について

団塊の世代は、かなり人数が多いので相当の競争にもまれ、優秀なのかと思いきやそうではなく、理論的な考えが出来る人は多くはないという事に注意するのが良い。

 

というのも、一流企業で正社員として退職まで働いていて、それが病歴、保険証などで当然わかるわけだけれど、だからわかるだろうと思って説明すると何度言っても覚えないという事が日常茶飯事だからだ。

 

その人と全く同じ能力のお子さんは就職が出来ずに苦しんでいるのを見るととてもやりきれない。とはいえ最近は少し景気が良くなって、ある期間だけではあるが仕事に就くことが出来たようで嬉しく思っている。

 

医者でも分野が違えば全く知らないことが多くある。ましてや一般の人ならば我々がいくら説明してもわからないものはわからないだろう。それは注意していたわけだけれども。

 

ところがやや問題なのは、団塊の世代以上では、インテリジェンス以上の地位についている人がかなりおられるわけであり、「ああ、ああ、わかったわかった」な態度をとっていても全然理解力がないという事がしばしば生じ、ナースがちょっと困ってしまうことがあることだろう。お年寄りならまだしも、60代そこそこで見解のすれ違いが起きてしまう事についてはある程度我々も慣れていくしかなく、これがここ10年ぐらいで現場で起きているちょっとした変化であると思っている。

 

「そんなに何度も言わなくてもわかる」というのを「すみません」と言いながらも説明し、なおかつそれらを全部メモにしてわたし、しかも読んだらチェック入れて下さい、ぐらいやって初めて大丈夫なのである。いやはや、おかげでトラブルはほとんどないけれど、大変でござる。次回の来院は絶食で来るのかどうか、ぐらいで大騒ぎである。