もってる人、もってない人
俺は人の誤診を見つけるのが得意なのだけれど、
例えば上司がやらかしてるのを、
さっさとカバーするんだけど、
この上司は「もってる人」だとほんと思う。
患者さんは名医として有名な上司にかかっておけば、
彼がやらかしても俺がカバーするからね。
期待以上の結果になるわけ。
自分は「もってない人」だ。
自分は誰かにカバーされた記憶はない。
患者さんの予後が悪く、自分のやり方がまずかったのではないか。
いや、俺はすべてを記録してるので、
検証は可能だ。
ミスがあったら誰かがカバーしてくれたはずだ。
でもどこにもミスはなく、
それでも患者さんは亡くなっている。
大逆転、みたいなドラマはまったくなくて、
期待以上の結果がない、というのが自分の医療で、
つまんねえな、と思うのだ。
ま、平均のパフォーマンスは良いし、ロボットみたいで嫌いじゃないけど。