文京うまれ

自由と知性

日本てユニーク

食道静脈瘤が破裂する前から治療をするのは日本だけですが、それは裏返すと、肝硬変の患者さん全員が定期的に内視鏡を受けられるのは世界で日本だけだという事です。医者の技術料が無料だから出来る芸当です。

日本の場合にはリソースが極端に少ない救急医療への圧迫を避けるという裏の、そして大事な目的があるのですが、こういう主張も救急医療が平等に行われる唯一の国ならではです。

結果としては、先行して治療したほうが総医療費は安くなることが証明できてだんだん世界でも予防的な治療が行われています。ただし運の良い患者さん限定で。

アメリカでは静脈瘤破裂したらソマトメジンを注射しますが日本にはその注射はありません。1本15万の薬を何本も打つよりは、8-15万円ぐらいで治療したほうが安いし再発も少ないという発想です。もろもろ含めて50万円かからないでしょう。でも海外では治療が200万円オーバーになりますしコスト感覚がかなり違う感じがします。

日本の内視鏡は圧倒的に安いので、これを発展途上国に普及させたら西欧社会との逆転現象が起きて面白いんじゃないかと思って一生懸命教えていたら、自分の利益ばっかし考える先生が多くてちょっとだめだったな……そこんところはあんまりうまく行きませんでした。