文京うまれ

自由と知性

「気のせい」は情報量をゼロにする

「先生、この薬は効きません」を患者さんは俺に言うべきだ。

 

薬が効かない事実は、基材があわないのか、成分があわないのか、患者の表現の仕方の問題か、別の病気の紛れ込みか、いずれにせよ貴重な情報だからだ。

 

効かない可能性もすべて考慮して薬の組み合わせは決定しているのだから。

 

「あの先生はミスをしないから、薬が効かないのは気のせいだよ、もっと飲んでごらんよ」と別の医師が、たぶん俺の事をカバーしてくれたつもりで言ってるんだろうけれど、お前なあ、それは間違いなんだよ。レメディ売る人の「好転反応」ってか?そんな言葉使った瞬間に思考停止なんだよ。

 

薬の投与の仕方によっては一時的に症状が強く出る事もあろうがそれには機序がある。当然それは「気のせい」でも「好転反応」でもない。

 

では何が原因なのか、真の病態はなんなのか、追及するための次の一手を繰り出す機会を台無しにしたな。

 

今後の人生でも「気のせい」だとか「好転反応」だとか言う言葉を使う事は絶対にしない。