文京うまれ

自由と知性

「あなたは俺の事が好きでも俺はあなたが好きじゃない」

「先生ひさしぶり」

「はい、この2年の経過を教えて下さい」

「前と同じです」

「では飲んでいる薬はアスピリンとロサルタンだね」

「うーん、違います」

「じゃあ同じじゃないじゃないか。面倒だから記録持って来いって言ったはずだけど持ってきてない。こうやっていちいち延々とイエスノーの質問させる気か。どうしようもないな」

「でも先生が良いから来ました」

「俺は嫌だ」

「でも私は先生が良い」

「恋愛でそんなことありえる?相手の感情を無視して。あなたは俺の事が好きでも、俺はあなたが好きじゃない」

「そんなあ、ひどい」(77歳女性の一言)

「好きになって欲しかったら、持って来いと言ったものは黙って持って来る。ルールを守るべきでしょ。明日から小児科になります、って宣言すればあなたたちから逃げ切るのは簡単だ」

「どうもすみませんでした」

このぐらい本気で言わないと患者は自分がコンビニ受診して迷惑をかけた、という事はわからないし、わかってもコンビニ受診はやめない。複数スペシャリティを持っておいて時々変更しつつ転職していけば完璧な気がする。