文京うまれ

自由と知性

不幸

病院で検査台から転落した人がいた。50cmぐらい?
ありえないぐらい広い検査台からわざわざ落ちたんだけど何を意図して落ちたんだかちょっと想像が出来ない。帰ろうとでもしたんだろうか。

 

これ誰が悪いって話ではなく、むろん患者さんがじっとしてなくちゃいけないのを動いて落ちたんだから自分のせいだけどご老人なんだから自己責任とかいうの可哀想だし、柵つけとけとか支えろとかいうクレームは「検査台」なんだからあり得ないし、そういう責任論は抜きにすべき案件だ。最初にすべきことは打撲なのか骨折なのかという判断なわけです。人間と言うのは1mの落差があれば死ねる。

 

でやらなければならないことは検査室めぐりなわけで、淡々と行われるわけだけれど、これに類する事態の時に、患者さんの方から責任論を持ち出してくる場合はあって「金は払わないぞ」とか「病院での事故なんだから責任とれ」とか言いだす。そういう場面を見ると「不幸な人生だな」と思う。結構あたたかく周囲が大丈夫ですか大丈夫ですか支えてあげられず申し訳ないですと言っている中でのこの発言である。不幸以外のどういう言葉が当てはまるのだろうか。

 

”I am very sorry."って英語だと言うんだろうか。

 

医者にはニコニコ、ナースには烈火のごとく怒りだすご老人、こういうのも不幸だ。むしろ俺に非があるなら言ってほしい。大抵は俺が「とてもいい結果で良かったですね」と説明した結果患者はニコニコし、5分ほどするとナースを呼びだして、「異常がないならどうして検査をするんだ、金返せ」みたいな事を言っていたりするのだ。俺には非はないと思う、やはり。

 

医者は比較的こういうゴタゴタから守られた身分なのが申し訳ないな、と思う。ただ、我々が患者に何かを言って説得したように見えても、恨みを持ったまま(もちろんゆがんだ恨みであって根拠がないものだけれど)という人がいるからしょうがないのかなとも思う。コメディカルの人々がストレスを溜めないように願っている。