文京うまれ

自由と知性

同業者批判

医者が同業者批判をしない、ないしはしにくいのは、医学の領域が広大すぎるがために、まずは自分の立場を明らかにした上で批判の範囲を限定するなどしないと的外れになるからである。

 

例えば全般に実力の十分でない眼科医がいたとして、その眼科医を漠然と批判することはその医師にかかって感謝している患者もいる上、実害が生じていない場合も当然あるので妥当な行動とは言えない。どうしたものかと注意深く5年10年と観察していると、ある分野については進歩が見られるが、ある分野については実害があるほど実力がない事がようやくわかり、患者に「糖尿病の人はあの眼科は避けてください。眼底の所見がが読めていない」などと具体的に指示できるようになる。同業者の評価というのは大変である。