今日の誤診
胃を見ればなんでもわかる、と豪語している私でも間違うことがあります。
検査室に入ると、検査医が内視鏡を終わろうと空気を吸っているところでした。
そこではっきりした萎縮境界、発赤した萎縮面、やや白っぽく、厚く、割合きれいな非萎縮面が一瞬みえたので、
「除菌後で、お酒すきな人、あるいはバファリン投与中だね~」
まではわかりました。胃腺腫が何年か前に見つかって、除菌後消えている症例らしいのですが。
ただちょっともやもやしている気持ちがあり、それはタバコを吸うのか吸わないのかという点でした。
タバコを吸うとちょっと胃も汚くなるので。
で、声帯を最後に見たところ悩んだのですが、「今はタバコを吸っていないかな?」と言いました。あまり喉頭に炎症もなく、声帯の萎縮も強くなかったためです。
ところがタバコはケントを10本ぐらい吸うのだそうで、はずれていました。悔しいです。
そういえば、エコーを見てもタバコを吸っていると30歳代でもう内蔵がボロボロになっている人と、
80歳代でもタバコを吸っていない人と同等という人がいます。
この方は基礎疾患がなかった。つまりタバコに強い人なのでしょうね。それで喉頭にあまり変化がなくて私は誤診してしまったんでしょう。
次回はそのあたりも考慮してはずさないようにしなければ。