文京うまれ

自由と知性

熱中症と脱水

熱中症自身は、熱に対して体がやられる事だから脱水と同義ではない。
ただ、熱中症の発症には、その前に脱水があり、汗が出ないという状況があり得るので、
同時に脱水が生じている可能性は常に考えなくてはいけない。
それとは別に密室で湿度が100%であったがために熱中症になるという状況もあり得る。

取りあえず、熱中症って一言で言うけど病態は結構複雑で、
ベルトコンベアに乗せられたみたいにスイ~っといかないのはそのせいで。
とりあえず脳は冷やさないとまずいし、状況から喪失した電解質量を見つつ、脱水を補正しなくちゃなんないので、
開業医だと、迅速で電解質を測る機械を持ってないとだめだ。

で、自分は持ってないので、熱中症は診られないって事になります。
これはしょうがなくて、当院は腹部救急にはめちゃくちゃ貢献してるから、
そうあれもこれも診ろと言われてもねえ。

で、素人さんが良くやるまずい事は汗が出たときにスポーツドリンクだけを補給して塩分を補給しなかった場合で、
これは水中毒って状態になって痙攣したり、心臓がおかしくなったり、医者も焦っちゃう。
スポーツドリンクじゃあ、だめなんで。

それ以上に、医者がかつぎこまれてきたひとに、生理食塩水とか外液を入れるならまだ良いんだけど、
3号液なんか入れられた日にゃ、状況はますます悪化してしまうので、わけわかんない医者にはかかっちゃいけない。

と、このように「なったらまずい」状態なので、とりあえず予防が重要なんだが。
一応、カロリーオフのスポーツドリンク500mlに塩を1.5g足しておきなさいと指導してる。
カロリーオフの定義は100mlあたり20kcal以下だそうだ。
それで、1000mlあたり経口補水塩は160kcalの砂糖という事になっているから、糖分としては良いだろうと。
塩は0.3%ぐらいにしておけば良いだろうと。これがつまり維持液の組成に近い。

下痢したときも同じで良いです。

暑いところに行くときにはカロリーオフのスポーツドリンクと、食塩を持って行く。
男梅とかシオタブでももちろんOKです。量はしらん。