文京うまれ

自由と知性

そういや見せたことがない

そういえば大学では上部内視鏡検査ばかりしていて、

エコーや下部内視鏡検査をしているところは見せたことがない。

エコーのエキスパート(医師の)を養成したいって話があったんだけれど、

じゃあ僕が教えますっていうわけにはいかないのです。

医者がエコーのエキスパートっていうのは、

検査しながら考えるっていうのが検査技師さんの検査とは決定的に違って、

実際なかなか養成が難しい。

しかもエコーのエキスパートと名がついてしまうと、

私のように甲状腺~乳腺~上腹部~下腹部、時には心臓や筋肉、皮膚まで全部診るというのはなんとなく許されず、

上腹部だけ、とか場所が限定されてくるからまたややこしい。

また、診断は動画で行っているのに記録は静止画なので、

読影」という行為自体に結構矛盾があるという点で内視鏡と似ていて、

これが保険では「読影料」が算定できない、安くて蔑まれるかわいそうな子である原因と言える。

一度エコーの魅力に取り憑かれると抗しがたいのではあるが、

そうでない人達にはハードルが高い検査だし、

3Dエコーの自動診断が実現したときに復権するまでは、

ずっと日陰者かもしれないとも思った。