文京うまれ

自由と知性

苦情が多い医者

僕の師匠は、たぶん県で一番患者からの苦情が多い。(割と公式な苦情をお上に訴える人が多い)

なぜかって??

患者のごね得を絶対に許せない性格で、クレーマーに正面からぶつかるから。

ほぼ毎日一人ぐらいはそういう人(待たせるなとか言う人)がいるので、喧嘩になっている。

その先生はたぶん県内で一番内視鏡がうまい先生でもある。ぶっちぎりだ。

この先生じゃないと処置できない病変もあるので重要人物だ。

普通はそんなに凄い先生だと、クレーマーは権威に弱いから案外「早くしろ」的な文句は言わない。そういう雰囲気になるものだ。

ところがこの先生は一見気さくに見えるし、全く権威ぶらないものだから、患者が文句を言いやすいのだと思う。だから喧嘩になるんだけど。

一方患者は引きも切らず、今は外来が4か月待ちになってしまって嘆いている。その理由の一つが、患者を依怙贔屓しないからだ、というのは容易に想像がつく。クレーマーを許さないのは他の患者さんたちが一番理解しているのだろう。

患者をもっと減らしたいと言うから「断れば良いです」と自分が言うと「いやそれは出来ないよ……」などと言う。良い人だなあ。

僕はこの師匠が大好きで、でも内視鏡のやり方はぜーんぜん違うんだよねえ。そこがまた面白いと思う。