文京うまれ

自由と知性

OncotypeDX

癌情報サイトの翻訳監修をしていたころに、OncotypeDXの事を知った。
化学療法の効きと予後を予測するために、
癌の組織内の多数のDNAを網羅的に検索する検査キットだ。

あのころはMDアンダーセンや米国癌学会からの記者発表はだいたい全部読まざるを得なかったので、自分には関係ない腎臓がんやら血液の病気などの化学療法の新薬についても網羅的に勉強していたんだけど、おかげで癌全体の治療の動向やら政治が良く分かってとても役立つ経験だったと思う。とはいえこういう性格なので、裏にある政治的な駆け引きまでも邦訳に入れなければ患者さんにフェアとは言えない(かも)という考えから監修をすることに疲弊してしまい辞めてしまった。

OncotypeDXは大腸がんと乳がんとどっちが先だったか忘れたが、
どちらの癌も遺伝子変異によって化学療法の効きが違うという点、患者数が多くて良好なデータが蓄積(欧米共同で1000を超える患者さんの癌の組織が保存されており、それぞれの化学療法の種類、予後が記録されている:日本は参加してない!)されているという点で共通している。そのデータベースを使用して開発されたと記憶している。

http://nyugan.info/tt/topics/topics31.html

日本でもかなり使われている事を最近患者さんから聞いて、やっぱ進んだなあと思うのであった。

ただし、、癌は途中で変異(しかもキメラ)しますので、その時点その時点で遺伝子解析をしなおす、というのが未来型の化学療法であろうと思うんです。まだまだ解決すべき点は沢山あるのです。