文京うまれ

自由と知性

一芸に秀でるか二芸で食っていくか

医者なら誰でも一芸に秀でたいと思うのは自然かも知れない。でも二芸も三芸も身に着けたいとも思う人もいるのではないか?

もともと日本のトレーニングシステム、というか世界中の医者のトレーニングシステムと言うのはちょっと変で、兼業を認めないというところがある。つまり、眼科であり精神科でもある、というような組み合わせを認めないのだ。

特に才能に恵まれた優秀な医者に限れば楽々と二つ以上のスペシャリティを修める事は可能なのにとてもおかしな事のように思う。そもそも何のためにこれほど優秀な学生を集めているのだろうか。医学部で極端に優秀な連中が医者にならずにコンサルティングファームに就職してしまうのは、反実力主義的な構造に反発しての事ではないか。(もちろん高給だという事もあるのだけれども)

医者の世界では一芸に秀でた人を天才だとほめそやすけれど、規格外の天才はむしろ阻害されるのではないか。そんな気がして仕方がない。