決心が必要なとき
81歳の男性が、何も異常がないのに来院された。
異常がないというわけではなくて、慢性腎不全なのだけれども、ふとしたことから「癌ではなかろうか?」と思って2ヶ月前に相談を受けていたのである。
色々な状況から癌でない事は推測出来ても、患者さんを心底納得させるには「ではどうしてその症状になってあなたが心配になったか」を説明しなければならない。
というような難しい事は考えずに私が放った一言が患者さんを癌の呪縛から解いたらしかった。
そうしたらすっかり検査をする気は失せてしまったけれども、その時の外来でご希望ならば検査をしても構いませんよと言った自分に悪いから、とわざわざ挨拶に来たのです。家から1時間半もかかるはずなのだけれども。