文京うまれ

自由と知性

セカンドオピニオンズ、ではいかんのか

セカンドオピニオン云々で来院した患者さんがおられたのだが、持参された内視鏡写真が……。

 
申し訳ないと思ったけれど、もう一度内視鏡検査を行った。
すると、良く理解ができた。その病変を。
 
患者さんが感動していたのは全く別の部分(検査が苦しくないこと)なので、まあ的外れっちゃあ的外れなんだけどまあいいや。
 
そして自分の意見をセカンドオピニオンとして話し、相手はそれに納得したようでした。
 
今回はたまたま内視鏡の精度を上げることで、判断しやすくなったかもしれない。
しかしセカンドオピニオンってのは、やはり一人の意見に過ぎないという事を患者さんは認識すべきです。
(うちは二人だけど)
 
例えば胃癌の場合、「適応外でもESDするかどうか」(本来は適応ではないが、あとで転移したとしても現在は低侵襲の治療を受けたい)という判断を患者さんに本当に委ねて良いのか?という問題があります。
 
自分の場合、相手が若い方なら大きな問題がなければ手術の方が良いと思う場合もありますし、若くても基礎疾患(例えば精神疾患も基礎疾患)によって、手術は無理だろうと思うこともあります。
 
癌研有明病院でもキャンサーボードにはすべての症例が呈示されるわけではありません。
 
こうした重要な判断をもっとオープンに話し合えれば理想だと思うんですが。
その金も時間もないんです。
10人の医師を30分拘束したら、25万円・・・。
高い抗がん剤一本より安いんですが、こういうコストは、患者さんに理解していただくのは大変かも知れない。