文京うまれ

自由と知性

第一声

電話がかかってきたときの第一声をどうしようかと、いつも思う。

だいたい受付の様子でどんな電話かはわかるから。

時間外に、

緊急の用件ではないのだけれど、

相談っぽい電話がかかって来ていた。

自分で判断が出来なくなっている患者さんは、面談しか解決法がないから、

こちらからのセリフはひとつ、「週明けに受診して下さい」である。

さて、そのセリフに向かって最短の時間でたどり着くには、

どういう第一声が良いのだろうか。

えい、考えてもしょうがない。

「お待たせしました!」(穏やかに)



おお、自分の中のコミュニケーションの神はそう来たか。

相手は当然面食らう。

土曜日の時間外に、相談の電話(ルールには反するなあ)をかけて、出た医者が元気よく「お待たせしました!」である。
 
一瞬相手は黙る。

私は相手が喋るのを待っている。

恐らく受付に何か訴えていたのとは違うトーンで話し出した。穏やかに。



このエントリーを書こうとした時にはすでに第一声がどうだったか忘れそうになっていた。

次回電話があっても、同じ話し方は絶対しないのだろう。

時間外電話再診料をもらってる以上、プロとしてマンネリは避けたい。