文京うまれ

自由と知性

医学部教育は冷たい(でもしょうがない)

医学部の教育は知識の詰め込みに見える。

文章にして何万ページかわからないが電話帳10冊分以上勉強させられる。
詰め込みではなくて、背後に原理原則があり、それをいろいろ方法で理解させようとしてくれるのだがやはり難しいかもしれない。
自分は背景が理解できたので簡単に感じたから勉強は固有名詞を覚えるぐらいになるのだが、原理原則である背景が常に流動的であるのが数学との違いかもしれない。
その時点で理解されていない概念は当然あって、「保留、まる覚え」のタグを付けて脳内に放り込んでおくが、10-20年を経てそれが「ウソだった」とか「新たな原理原則で理解が可能」に組み入れられるのを待つことになる。
 
保留タグが案外多いのだよ。そうでなければ医学ではないんだけど。
だから「すべてがわかった」的な物言いをする医師は間違いなくお馬鹿さんであり、勉強すればするほど「わからないことはまだある」と表現することになる。とはいえ「原因は不明」と断言するほど自分は馬鹿でもない。
 
医学がまるで理解ができない医師の一部は絶望して代替医療とかホメオパシーに行ってしまい、彼らの理解の範疇で彼らのビジネスを展開するようになる。
 
もっと親切に教えれば良いじゃんという批判はあるかもしれないけれど、わかった雰囲気になると一番怖い。「自分は馬鹿だなあ」と思いながら医業をやるというバランスがちょうどよい加減かもしれない。