文京うまれ

自由と知性

無痛分娩は普通の選択になるか

自分は無痛分娩賛成、っていうか、それが普通って感覚なのはアメリカ生活のせいかも。アメリカでは昔は塩酸ペチジン75mgを静注で入れてた時代もあったと思うよ。塩酸ペチジンって合成麻薬なんだけど。むしろ「へー麻薬?」って感じだった。子供の呼吸大丈夫?みたいな。今は硬膜外がほとんどだと思われ。

 

日本は無痛分娩やってる病院医院が少ないけど、それは麻酔科の先生が少ないからだろうと思う。手が足りないものね。でもその状態を正当化するために無痛分娩を攻撃する人はいないと思いたい。

 

さて無痛分娩するつもりでも無理な時はある。

NSTで心拍が下がっちゃったんでやべーやべーと吸引分娩したから無痛分娩とかする余裕がなかったとかね。

こういうの素人だったら、「無痛のはずなのに…」とか、あとで複雑な思いになるのかな。胎児の心拍が下がるってのは子宮の収縮があったときにへその緒がどっかで圧迫されて血液が通ってない事が多いので、急がなくちゃいけない場合があるんですわ。

 

硬膜外に入れるのがやたらめったら難しい人がいる。背骨が曲がってる、太ってる、痩せすぎ、いろいろね。

しかも硬膜外に入れたらどんどん血圧が下がるんで効くほど入れられないって人もいる。

全然痛み止め効いてない人もいる。

 

でも逆に入れたから血流動態が安定する場合だってあるだろう。痛みをコントロール出来るってのはすごく大切なことなんだ。自分は無痛分娩には賛成派。

 

愛育病院 -麻酔科-

有名な愛育病院では、分娩が計画ではなくて夜間になってしまった場合にも対応できるように体制を整えている、という事が書いてある。田舎じゃ無理だろう。

 

こういうこと、自分が当事者になってみないとわからないでしょう?

なので、当事者になったら俺らに相談してくれれば良いんじゃないか。もちろん俺らは産科じゃないけど、かなり詳しい情報は持っているし、それからお産に対する基本的な考え方もわかるだろう。そういう基本的な考え方が合う医者を探すって、大切よ。


お金の問題では日本は遅れてる。正常産が保険適応じゃないってのはとても変な気がするなあ。でも基本的に手が足りないところに保険診療を持ち込んでしまうと圧迫されるのは産科の先生なんだよなー。だから言えない。第一、生命保険で正常産や、ましてや無痛分娩費用を保証するってのがないでしょ?こういうのって、生命保険の本質を示してるみたいでほんと興味深いわ。

 

今は変化の時代で、議論は大切だけれども、新しい時代に則した痛みのモニタリング方法を開発したり、投与方法の工夫を行ったり、合併症の確率を正確に算出したり、医師の免責を行ったり、その時しか出来ないことは多いんだ。時代に流されるのではなくて、指導者がきちんとビジョンを持つことが重要。