文京うまれ

自由と知性

2011-01-01から1年間の記事一覧

全然

「全然効かない」という言葉を患者さんが使ったときに、 その意味を深く考える。 「全然」というのは、一切のフィードバックを拒絶した重い言葉だ。 「ますます増悪」よりももっと重い。 あなたの医療は全く意味をなさなかった、良くも悪くも・・・そういう…

電話

「健康診断的なものを受けたいのですが」と電話がかかってきました。 「健康保険証は国保ですか?」 「そうです」 「ご住所はI市ですか?」 「そうです」 「ならば6月中に青い封筒で特定検診受信券が送付されているのでそれで検診をお受け下さい」 「早急に…

そういや見せたことがない

そういえば大学では上部内視鏡検査ばかりしていて、 エコーや下部内視鏡検査をしているところは見せたことがない。 エコーのエキスパート(医師の)を養成したいって話があったんだけれど、 じゃあ僕が教えますっていうわけにはいかないのです。 医者がエコ…

根本が

ご老人に、 「熱中症って、どういう症状かわかる?」 と聞くと、誰もわかってない。 という根本的な問題があるようだ。 「熱中症です」 「ええ~~~」 みたいな会話が大杉。 (みんな、脳梗塞だと思って受診しているようである。まあそうなることもあるけど…

ごめん

うちは全部の検査は自分が適応を決めてやっているから、「検査させてください」というだけで患者さんが不安になることがある。 (全部医学的に根拠のある検査で、念のためという検査がないからその気持ちは良くわかる) やってみて異常が無いときには、「心…

指導医としてどうだったのか・・・

ひとりの研修医に半年間教えて、 週1、1回5人ぐらいだから患者100人ちょっとぐらいか。 そのうちで、「あ、これ癌ね」と指摘した早期癌が3-4例あった。割合としては悪くない。 ところが癌だってわかるんだけど、ことごとく組織型を外した。 しかも、研修医…

sig

これは胃癌で、印環細胞癌という種類の癌です。転移が多く、発見されたときには進行していることが多いのです。 例えば10人の内視鏡医がいたとして、8人ぐらいにはこれは見えないかもしれません。(上の写真でわかる人います?) 私も2回に1回は見落とすかも…

妥協点

若い人に、「乳癌検診にいけ」というのは馬鹿げていると思うんです。 だいたい僕が診ていて、30歳台だと700人にひとりくらいしか見つけられないです。 20歳台はそもそも診てませんのでよく知りません。 貴重な若い人の時間を700人以上分奪ってやっとひとり・…

伏線

インテリジェンスがあって、リスクをとれる患者さんだけが、 所謂「良い医療」を享受できます。 というのは、医療というのは医療を提供する側と、受ける側、双方の了解で成り立つから。 というような話は、若い患者さんには良くしていて、彼らはそれを理解し…

熱中症と脱水

熱中症自身は、熱に対して体がやられる事だから脱水と同義ではない。 ただ、熱中症の発症には、その前に脱水があり、汗が出ないという状況があり得るので、 同時に脱水が生じている可能性は常に考えなくてはいけない。 それとは別に密室で湿度が100%であった…

開業の極意

将来開業したいと考えているお医者さんに、 「まずいろんな地域の医師会の活動内容を検討して、その医師会が自分が参加するにふさわしいかで決めると良いよ~」 「で、とりあえず医師会の人と仲良くなってしまえば開業場所など自然と決まります」 と、お話し…

対等ではないと感じるとき

僕が検査をやりたくないのを利用して、検査する理由があるのに、 「僕はやる気がないので、検査に気乗りではない」(と、いつもの口癖で言う) 「じゃあ、検査しなくて良いって言って下さい」と、 僕自身から、「検査をしなくて良いです」という言質をとろう…

大学で授業を手伝っていました

4週にわたって、慶応大学SFCで授業をお手伝いしていました。 このYahoo!ブログで坂井直樹さんのブログが以前あって、それにコメントをしておりましたら、ご飯をごちそうになりまして。 そんなこんなでお知り合いになって3-4年になると思います。あまりす…

へそ曲がり

感謝されたくないことで感謝されるとむっとするタイプです。 「診察が丁寧」…うちぐらいするのが当たり前。 「よく話を聞いてくれる」…他であなたがちゃんと話さないのが悪い。 「内視鏡がうまい」…素人に言われても。 これを褒められるとうれしいってのはあ…

書いた方が早い

体のすみずみまで診て、しかも一回かせいぜい二回で終わらせる診療スタイルなので、 必然的に説明が難しくなる。 このため、患者に納得させようとすればたいへんな時間が必要だった。 1) 胃はピロリ菌を除菌して、きれいにしましょう。 2) 胃は除菌の成功…

語る

今日は20歳代男子に、 「男がお菓子を作るのは恥ずかしい事じゃない。甘いものばっか食べてるんだったら、自分で作りなさいよ」 と、ケーキの作り方などを教えていたら、 昼休みがほとんど無くなった。

ナポリタン研究

究極のナポリタン・スパゲティを作りたいわけだ。 でも、もう年なので、ああいうものを受け付けなくなりつつある。 麺は、生じゃなくて乾燥が良いな。 あんまりアルデンテ過ぎない方がいいな。 太さは1.9mmか1.7mmか悩むな。 油はあんまり匂いのきつくないオ…

二次除菌、三次除菌

ピロリ菌の除菌が失敗すると、 フラジールというお薬で二次除菌を行います。 さて、一次除菌が失敗しても、 「あなた、胃がきれいですね」 「ええ、症状がすっかり消えました」 という事は良くある。 そして、 「二次除菌しないで経過みましょうか?」 「は…

6年ぶりね

どうも、太い大腸が苦手で、 生涯で盲腸に到達出来なかった人々のうち数人は、 めちゃくちゃ大腸が太いわけだが、 さすがに6年前よりはうまくなったらしく、 前回はだめだったのが今回は盲腸に到達出来ました。 (ていうか、普通入らないわけがないのだけれ…

いろいろな言い方

その方のお薬は、薬包紙に入っているので湿気やすく1ヶ月ぎりぎりもつかどうか。 「先生、2ヶ月分出してもらえませんか」 と、仰います。 まあ、ぶっちゃけ無理なのですが、 「毎月あなたのお顔を拝見したいので、通っていただけませんか?」 とか言ってしま…

パスワード変更

Yahooにログインしてここ見ろ!他のIPからアクセスされてたらhttps://lh.login.yahoo.co.jp/すぐにパスワードを変更しろ。http://help.yahoo.co.jp/help/jp/edit/edit-13.html とあったので、変更しました。みなさんもどうぞ。

お総菜

例えば、 小田急の地下に行って全部ぐるぐるまわると、 おいしさと価格とは比例してないってのがわかる。 コストパフォーマンスを十分に吟味している内に、 タイムサービスがはじまります。

患者心理と医者心理

今日は忙しかったわけだけれど、 「お忙しいところ申し訳ないと思ったのですが・・・」と患者さんに先に言われてしまうため、 「いえ、大丈夫ですから」と言わざるを得ない。 うわ~、完全に患者さんの手のひらの上だ、とか思いつつこういう日は患者さんの望…

患者心理

問題です。 あなたが病的に心配性だとします。 大腸に3mmのポリープがあり、組織検査をしました。 「このポリープは癌なんじゃないでしょうか」と患者が質問しました。 「癌じゃない、と自分の首をかけても良い」と私が言ったとします。 そこであなたはどう…

今日の誤診

胃を見ればなんでもわかる、と豪語している私でも間違うことがあります。 検査室に入ると、検査医が内視鏡を終わろうと空気を吸っているところでした。 そこではっきりした萎縮境界、発赤した萎縮面、やや白っぽく、厚く、割合きれいな非萎縮面が一瞬みえた…

悲しい現実

喘息の時に水泳をしたほうがいいかという問に対して、 「やめたほうがいい」と答えたほうが良い時代が来てしまったかもしれません。 水泳は本格的に行うと、約1時間の間、口すぼめ呼吸をすることになり非常に呼吸筋の良い訓練になりますから、喘息に良い効果…

律儀というよりは

結構面白いなと思いつつ観察していること。 「この薬を飲みたくないんですが」と言う患者さんが毎日2、3人おられます。 律儀な人だなあなどと昔は思っていました。 でもちょっと違うなあ。 だまって来なくなれば良いのです。自己責任は嫌なのでしょうね。 私…

痙攣している腸

痙攣性便秘という状態がある。 腸が強く痙攣しているが、順方向に動かないため便秘になるのだ。 下痢ばかりしている人とは紙一重と言える。腸の動きが順方向になっているか、そこ場所だけにとどまっているかだけの差だから。 年をとるとS状結腸に憩室が出て…

みますって

患者さんが思い詰めた表情で受診をした。 たぶん、うち以外で内視鏡を受けたから、私が怒るだろうと思ったのだろう。 萎縮性胃炎があるだけの方で、糖尿病があり、ピロリ菌はいるとすぐに見た目にわかる胃ではあった。 こういう方の除菌は、保険適応は今の所…

マネ

初見でどのくらい人の真似が出来るのか。 というのは一種の才能なのか、努力でなんとかなるのか、悩んでいます。 いろいろな手技を見せて、「やってごらん」と言いますと、 ほんとにデタラメな人から、かなり良い線行ってる人まで。 この注意力の差というの…