文京うまれ

自由と知性

2014-01-01から1年間の記事一覧

告知

自分の告知はいつもグダグダで、 ずいぶん長い時間がかかる。 ます腫瘍を文学的に表現することからはじまる。 部位、 色、 色の変化、 辺縁の形、 植物で表現してみたり、 他の臓器との関係、 などなど。 それらは患者さんにとっては必要な情報じゃあないか…

人の褒め方

大人が子供を褒めるときには、 1)愛している 2)利用したい のどちらかかなあと思うけど、適切に子供が受け取ってくれるとは限らない。 なので、全面的に褒めるとかえって本人のためにはならないから「頭が良い」などという言葉は極めて限定的にすべきだ…

なくなる仕事

「どういう仕事がコンピューターに取って代わられるのか」という質問が若い人からあったので、 「現状、感謝されることが少ない仕事はなくなるんじゃないか」と答えておいた。 あとは非常にちいちゃな利権を持っている職業も、だ。時代は「フェア」を求めて…

アイディアの源泉

自分のいいところであり、欠点でもあるところは、自分のアイディアの源泉はどこから来たのか、がわかっているところかもしれない。記憶力がやたら良いから。 ついでに他人のアイディアの源泉もよくわかるので、 「こんなんできました!(思いつきました)」 …

未必の故意

検査をキャンセルする人はだいたいわかっています。 症状があるあるあるあるいうのに、検査をわざわざ1か月後にとっていく人々がいます。そんなに辛いなら、緊急でやりますよ?ってこちらが提案しても「いえいえ良いです」と仰る。 そういう方々です。 でも…

俺はこの先生に救われたと思う

リーダーシップと個別の能力とは違うと思う。 医者になった瞬間から「ベテラン並みに使える医者」だった自分は上級医との関係もちょっと特別だったと思う。幼少時から病院に出入りしていたし、医学生の時にはずっと父親を手伝っていたから、医者になった瞬間…

風邪だと思っていたら死んでしまうというケース

が、ある。 で、そうならないようにするには、 1)一人暮らしは良くないよ。 2)一人暮らしするなら、遠隔でバイタルサインがわかる装置つけたら?禿が心電図つくるまでもなく、脈派でも良いや。脈波ならスマホのカメラでできるから。 3)薬物使ってる人…

風邪診たくない

みんながorangestar(でもorangestarは「強い薬ほしい」みたいな考えらしいので俺とは合わないな、某天才科学者もそんな考えらしいので、やっぱり診たくないや)みたいに風邪引いたら場末の空いてる医者にいけば良いけど、 「風邪でも名医にかかりたい」とか…

安全圏から心配するのは、それは美しくない

「友人がアルツハイマー病になってショック」と言う人がいた。「ショックはわかったけれど、何がどうショックなのだ」「私だっていつああなるかわからない」「哀れだと思っているのか、自分はなりたくないと思っているのか、思われた人はどう思うだろうか。…

見学

他の病院を見学しに行った。 コメディカルは全員俺を(名前だけ)知ってて、(これは感心した) 医者が俺を知らないwww 嫌な見学者だっただろうなあ。 でもカンファランスで間違った事を言ってるから、 訂正してやらないと本人のためにならないだろう。 …

出来る外科医は30ちょいで頭角をあらわす

アメリカの外科医はすごくトレーニングが良くて、 医者になって7年目で一般外科のボード(専門医)が取れるけど、 その頃には100例の手術を執刀しているので一人前と言ってよい。 早い人で33歳でそうなるわけだ。 日本では31歳で、という事になるけれど手術…

アートと市民

コンテンポラリーアートこそは 市民がその価値を見出すべきもので、 キュレーターだの業者だのにどうこうされるべきものではない。 大好きなアーティストを自分で探して、 パトロンになったり、(かっこいい) パトロンにはなれずとも年間例えば10万円はアー…

患者の選別してるんですか

うちでやってない検査を希望した患者(そもそも初診で、勘違いの紹介状持ってきた。主治医がどーしよーもない)に、 「やってないから他に紹介状書くわー」(すげー親切、主治医がだめそうだから)と言ったら、 「私は診てくれないってことですか、患者の選…

10何年もかかってる先生からの紹介状が3行ってどういうことだよ、お前鴨なんだよ。 って、紹介された側は思います。 自分は日本の医学部を卒業しましたが、徹底的に患者の状態をサマライズする訓練を受けました。そもそも症例報告をものすごく大量に提出しな…

日常の間

救急外来にいると、神が見える人がいるらしい。 (東大のユニークな先生ね) 自分には、日常の間にいる死神が見える。 人と人の関わりがいかに重要かって事を知る。 話はそれるけど自分は自分で結構「見えてるだろ」と良く言われる方で、人からみれば当てず…

悲しいね

自分は近藤某みたいに、医者になって途中から趣旨替えをして原理主義者になってるような人間は信用はしてないけど、そんなにガチガチに治療を勧める方でもない。 父が亡くなった 膵がんだった 父が亡くなった 膵がんだった 俺の患者が、 「先生、すい臓がん…

病院の受付をロボットがすべき沢山の理由

病院の受付はトリアージの場であるけれど、 ロボットないしはコンピューターがやるべきだと思う理由が沢山ある。 1)人間はピンキリである。 礼を失する人間と、礼儀正しい人間とでは、礼を失する人間に対して大層余計な時間が掛かるし、頭の悪い人間と、頭…

不毛な会話はやめましょう

俺にしか色々な事が話せないんだったら、それはあなたの対話力に問題があると言わざるを得ませんよ。なぜ他の先生に話せないんだい? 悪いと思うから。 それは矛盾するよね?私に悪いと思っていないはずがないのだから。結局わかってくれるはずがない、とあ…

超一流とバカは紙一重

自分のアイディアを温める時に、 例えば臨床上のアイディアを実現させたい時に、 ここでは言えないけど今では誰もが使ってるテクノロジーを 最初に世の中に周知したのが自分だよ、というものがあるけれど、 それを世の中に出すためにどのくらいの時間がかか…

女性が受診しやすい世の中になると良いよね

外来に通ってる20代の女の子と話をしていて、 彼女はずっと診てるから乳腺だろうがなんだろうが「お願いします」って自分に見せるのが普通なんだけれど、 「やっぱり女医さんが増えたほうがいいんだとは思うけど、キャリアを積むっていうのがどうしても医者…

前を向こう

診断されるまでのドキドキはあるよね。 癌だってのはわかっていても、どういう組織かでやや心構えは違うもんね。 で、対病気、って事考えると、 節目、節目、で色々かわるわけだけれど、 その間は何にも変わらないので、 いつも同じ生活ができればそれが一番…

飽きるかどうか

「先生医者何年?」 「○十年になります」 「もう飽きたでしょ。同じような患者ばっかで」 「ふふ」 「やっぱりー、もういい加減楽に生活したら?」 「ふふ」 ほんとありがたいことなんだけど、他院でわからなかった、という患者ばっかり来ると、半分は精神が…

勤務医と開業医

俺の家は開業医じゃなく、 (厳密には江戸時代までは藩医で、 それ以後はいろいろ。父親は大学勤務) 開業医を軽蔑してたと思う。 子供のころに、 医者の息子と言われるのは嫌で、 「勤務医の息子です」と訂正していたくらい。 今はそんなこと思ってないんだ…

自分語りしかしない人

えらい人に多いんだけど、 逆にえらい人が、聞き上手だったりしたら、 どんだけ寒気がするんだろうか。 底知れぬ人間のデカさを感じちゃうんだろうか。 ところで俺の父親もえらい人なんだけど、 「忘れた」しか言わねー。 てめー、もっとしゃべれ。

ブログとかSNSやっててたまに驚くこと

かれこれ10年以上ずっとあちこちに書いている。 ここでは役に立たない書き散らしをしている。身バレしたくないもんね。 別の場所では論文の抄訳とか、要約とか、アイディアとか、症例報告とか、人情話とかいろいろあるけど自分で忘れてることもかなりある。 …

子どもが自殺してしまうという事

何人か、お子さんが自殺してしまった、という友人(含患者さん)がいる。 自殺自体は「隙をついて」行われるので、予防のしようがないというか。 さかのぼってどこの時点で食い止められたかねえ、という話をするんだけれど、結論が出ない。 ただ、その中に、…

小物の悪意

癌の患者さんと話していると、 医療従事者の悪意ある言葉に傷ついていることが多い。 「ほっておけよ」というほどの小物が発した言葉ではあっても、 患者さんにとっては大きな言葉に違いない。 「どうしてこんなになるまで放っておいたの」 と検診ナースが言…

門前薬局を見ろ

門前薬局を見ると、 その医者がどのコンサルタントの指導で開業したかどうかはわかる。 するとどの程度の医療をするかってのも、 想像がつくものだ。 俺は基本的に薬剤師さんをあまり信用していないが、 (病院薬剤師は信用している) やぶで評判のひどい先…

住所

やぶ医者ってのは存在していて、 そのおかしさがわからない患者が多いので、 自業自得かなとも思うんだけど、 じゃあその地域にもうちょっとましな医者がいるかというと、 やぶ医者のそばってのは、 まともな医者は逃散するんで。 まともな先生のそばに新規…

コンサルテーションは全員必要じゃないのか?

平均的な医療のレベル、というものは俺にとってはちょっと頼りないようにも思える。 単純な病名がつけば、あとは標準的な治療でいけるからそれで良いが、その道筋を作ることが出来る実力の持ち主(医師)はそれほどは多くはない。 つまり、 治療をする医者は…